禿げとアーユルヴェーダ

アーユルヴェーダー伝承医学における

「禿げ」の考察。

ご注意）この内容はインドアーユルヴェーダー文献（図書）を翻訳したものです。ハーブの薬効や効果を保証するものではありません。

皮膚と頭髪の病

禿頭（ハゲ）

　アーユルベーダーではこの症状をカリチャ（khalitya）として知られている。過度の精神的な心配、不安と怒りは、この病の原因であると考えられた。一種の病原性生物が頭部を含む身体の毛を減すの原因とも記載されているが、衛生的な現代においては排除して良いと考える。

治療法①　頭皮×植物

ブリングラジ（Bhringaraja-トレーリング・エクリプタ｜タカサブロウ葉）は、この病の治療のために選ばれた薬でもある。インドではマハ・ブリングラジ・タイラ（Maha bhringaraja taila）またはニブリンガディ・タージャ（Nihbhringadi tazia）と呼ばれ、医者によって一般的に処方されるものである。このハーブを風呂に入る１時間前ぐらいに、頭皮を穏やかにマッサージをする。ブリングラジオイルならインターネットで手に入れることができるだろう。

 このマッサージによって、既存の弱い毛の一部は抜け落ちる。したがって、最初は、毛髪は薄くなったように見え、まるで禿げが広がったように現れるだろう。患者はこれによって驚いてはならない。むしろ、全部の頭部を完全に剃って、そしてマッサージにこのオイルを用いるなら、さらに良い効果が得られるだろう。

結果を実感するまでは、およそ6ヵ月の間、続けて使われなければならない。また（効果を出すために）ブリングラジ（bhringaraja）パウダーを経口的に服用する。このパウダーを、日に２回、茶さじ一杯に蜂蜜を混ぜ、空腹時に飲む。

治療法②　頭皮×植物

今の毛母細胞を刺激する療法なら、素早く効果を実感できるだろう。そのためにヘナを勧める。ヘナペーストにクローブとショウガを混ぜて塗る。

ヘナの冷性とショウガ＆クローブの熱性が相殺され使い心地も良いだろう。小さな発毛を実感できる。白髪も気なるようなら、さらに「アムラ」を加えても良い。ヘナは鉄の容器で溶くことを勧める。鉄の成分が髪の発毛に有効だからだ。

治療法③　頭皮×象牙

アーユルベーダーの医者は、象牙をこの病の治療のために一般的によく使う。象牙はを小片に刻み、灰になるまで焼く。毎日、これをギーまたは蜂蜜といっしょにして、当て布をして頭皮をこする。または象牙の灰（バスマサ-bhasmasa）を、一晩、頭部の皮膚に着けたままにするとさらに良い。頭皮は若干チクチクするが我慢。若い人に現れたはげならば、それらは非常に良く効く。

治療法④　頭皮×外用薬

治療法⑤ 日常の注意点

 　カラダが衰弱した状態は、しばしば毛髪の抜ける原因である。それゆえに、食事には滋養分を摂ることを必要としなければならない。通常、肉、魚、ギー、バター、ミルクなどのようなの高タンパク質が勧められる。但し、肝臓を過剰に働かせないように注意する必要がある。したがって、揚げものは決して摂ってはいけない。

悩みや心配は、はげの最大原因のうちの1つである。だから、患者は温厚な生活の状態を保とうとしなければならない。また、不安・心配事を避けなければならない。眠れない夜、過剰の性的な耽溺、大便や尿の自然の要求を我慢することは厳しく回避すること。

日常の洗髪には大きな関心をもってほしい。結論的に「合成シャンプー、合成コンディショナー」は使わないことが良い。湯すすぎだけで髪を洗う習慣をつくる。活動で汗をかいた、ほこりを受けたときにシャンプーを少量用いる。浴室に、先端の優しいブラシを用いての髪汚れと毛穴老廃物を落とす。シカカイで頭皮を洗浄することも効果がある。頭皮の皮脂を保ちながら汚れをおとすことができる。

便秘の患者は、眠りを妨げられる可能性がある。お腹の張りは、さらにはげをいっそう悪くすることを知ってほしい。したがって、患者は、毎日、はっきりとしたお通じを得ている、ということが分かっていなけれはならない。早朝のコップ1杯の水は非常に良いので試してほしい。患者は、朝か夜に、2～3キロメートル歩くことも必要である。

インドにおいて、多くのヘア・オイルがはげの治療をすると新聞で広告されている。それらのほとんどは誇張された内容である。患者はそのような記事で求めようとせず、医者に意見を求めるよう勧める。

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