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ニーム

NEEM

 ニームは、原産国がインドの植物で広く東南アジアから中近東に自生しており、神秘の樹木として古代より崇められてきた植物です。数千年のあいだ人間と動物の内服、外服で使われてきました。千年もの間、インドの日常の食事の一部であり、ガンディー(Ghandi)自身も、自分の胃に良いと公言して、好んで食したハーブです。その多様な薬効から、住民は自宅の敷地に一本のニームを育て、体調管理に役立てる習慣があります。

 

 

ニームとの出会い

ニームのすぐれた効用の発見は、1959年にアフリカ・スーダンでイナゴの大襲来があった時の出来事でした。イナゴの大群に食い荒らされた大草原のなかで、唯一、緑の葉を青々と茂らせている木が残っていました。それがニームだったのです。

「なぜこの樹は、イナゴに食べられなかったのだろうか?」その疑問から、ニームの素晴らしい薬効の発見につながったのです。

 

なぜイナゴが食べないのか?

アザジラクチンという成分が含まれているため。

近年の研究において、ニームは人間(哺乳類)に無害な成分であることが証明され、日本でも化粧品の原料として使用ができることになりました。

 

成分表示名=メリアアザジラクタ葉

英語名=Neem,Margosa,Indian Lilac(インドセンダン)

サンスクリット=Nimbi(ニムビ)

 

科=Meliaceae(センダン科)

使用する部分=樹皮、葉、果実、種

概観:高さ12mまでの落葉性の木。亀裂を生じた濃いグレーの樹皮。羽状葉、花は小さくて白い。緑か黄色の実から一つの種を結ぶ。

分布=インドを隣接している国々の平地のほとんど、どこにでもある。およそ2千万本の木が南アジアで生息している。

発信

ワシントン、米国国家研究会議[NRC]においての調査報告(以下、和訳)

 

「ニームは世界的な問題を解決するための木と呼べる。この地球上で、最終的にあらゆる人々に貢献をすることが予測できる。全ての植物の中で、最も有望と判断できる。なぜなら他のいかなる植物でも、これほど不思議で多種多様な製品(プロダクツ)を生み出さないし、これほどの多くの副産物を抽出できる植物は存在しないからである」

 

NCR:米国国家研究会議家畜栄養委員会 (National Research Council(NRC)) を指す。これは米国科学アカデミー、米国技術アカデミー、米国医学協会のメンバーで構成された評議会

 

 


パテント戦争

オーラルケア(歯ブラシ)として有効なニーム(枝)
オーラルケア(歯ブラシ)として有効なニーム(枝)

英国BBCニュースのWeb版より

このニームの優秀な薬効の発見に端を発してEPO(ヨーロッパ特許庁)とインド間において特許戦争が起こりました。

最終的に、EPOとインド政府間の10年に及ぶ特許権(ニームとニームを使用したプロダクツ)はインド政府にそのパテントが認められた。

現在、大規模な研究がこのハーブに着手され、世界中の人々がその有益性に気付いている。

 

→写真(右)

 食後は、ニームの枝を折り、歯の手入れ。虫歯、歯周病にならない。インドの現地人は歯磨きの習慣が無い時代から、ニームの小枝で歯を健康に保つことを知っていた。

 

【世界で使用されているプロダクツ例】

うがい薬、入浴剤、防腐剤、フケ防止、シラミ防止、にきび防止、乾癬防止の薬効をうたった、石鹸、シャンプー、クリーム、毛髪剤、抗菌手洗い、フェイスマスク、歯磨き粉など。(いずれも日本には、広く普及していない)

 

薬効

一般的な皮膚病、抗マラリア、抗結核、虫さされ、抗ウィルス、抗歯周炎、抗菌、抗真菌など。外寄生生物へのバリアー(ダニ、ウジなどの寄生虫による傷、炎症)

また葉からとれる成分が有意の血糖降下を示し、糖尿病に対して非常に有用である。

また切り傷、やけど、挫傷、耳痛、頭痛の治療に役立ち、鎮痛性、抗炎症性、解熱性の化合物を生成する。すでに諸国で、マラリアを抑制する研究は実施され、有効性は認められた。

 

ご注意※下記の内容は、古典アーユルヴェーダ文献に記された内容を引用しております。これらは当社製品の薬効や効能を表現するものではありません。

 


神話

 ニームは、インドにおいて、すべての時代を通じて使われてきました。それは伝統ハーブのなかで最も強力な血液浄化作用と解毒作用のあるものだからです。それは異物や余分な組織を取り除き、治癒を促進する。また熱を下げ、そして炎症を減らす。ニームは特別にマラリア、湿疹、白癬、白斑、糖尿病、肥満、関節炎、痔、リューマチ、黄疸の治療にも使用される。

古代の文献に、ニームの長期間の使用は性の抑制として作用する可能性がある。サドブス(Sadbus修行僧)とサンヤシンズ(Sanyasins托鉢僧)は、修行のためにこの作用を利用したと記録されている。

 

 アーユルヴェーダでは、ニーム(原文ではNImba,ニムバ)は血液を浄化するためにハンセン病と皮膚病、熱の為に使われる。

葉は湿布薬、煎じ汁は、消毒し潰瘍と湿疹、樹皮と根の樹皮と未熟な実は苦い強壮剤で、変質剤(徐々に回復させる薬)で、収斂性で、坑周期発作薬である。樹液はカタル疾患の痛みを和らげ強壮薬である。乾燥した花は強壮剤で胃によい。

樹皮のアルコール抽出駅は、抗がん剤、坑ウィルス性でSpasmogenic(痙攣原性?)である。