ヘナは、植物の一種であるローアソウ(Lawsonia inermis)の葉から抽出された染料で、主にミャンマーやインドなどで伝統的に使用されてきました。ヘナの主な成分には、以下のものが含まれています。

ヘナ色素:主にローアソウの葉に含まれる天然色素で、赤茶色から黒茶色の色を付けることができます。

 

タンニン:抗菌作用や皮膚の引き締め作用があるとされています。

フェノール:抗酸化作用があるとされています。

レイソニン:抗炎症作用があるとされています。

メトキシケイヒ酸エステル:髪を補修する効果があるとされています。

 

刈り取り前のヘナ
刈り取り前のヘナ

分布=アラビアとペルシャが原産で、インド中では囲いの樹木として現在も植えられている。グジャラート、マディヤプラデシュ、パンジャブとラジャスタン州では商用として栽培されている。特にラジャスタン州ソージャット地方産のものは品質と香りに優れている。

ヘナ畑の風景
ヘナ畑の風景

 成分表示名=ヘンナ

学術名=Lawsonia Inermis Linn 

ヘナの葉、種、パウダー
ヘナの葉、種、パウダー

科=Lythraceae(ミソハギ科)

成分=ヘナの葉には、グルコシド、2ハイドロキシαナフソキノン、キサントン、ラクサントンⅠ、Ⅱ、Ⅲとまったく同じ「着色料 ローソン Lawson 」という物質やタンニン酸が含まれております。
葉と種からの精油にはβイヨノンも含まれています。

使用する部分=葉、樹皮、花、種

アーユルヴェーダの特性=Rasa-Tikta,Kasya, Viya-Sita他

 


ヘナの花
ヘナの花

ヘナは西南アジアから北アフリカまで、広く自生している植物(ミソハギ科)です。木の高さは3〜6mの低木で、花は白い4枚の花を咲かせ、稀に薄い紅色や赤、薄い緑色の花も咲かせますが、いずれも強い芳香を伴います。葉は対生した緑色で長さ2cm、幅1cm位の卵形で先は少し尖った形をしています。果実はえんどう豆ほどの大きさで、多数の種子を含みます。この種子から脂肪油やヘナオイルが取れ、香水にも利用されています。


今年のヘナも元気いっぱい!

もうすぐ皆様のお手元へ!

[ ヘナの収穫風景2016年10月|ソージャット地方 ] → [ ピア到着2017年2月 ]


ご注意※下記の内容は、古典アーユルヴェーダ文献に記された内容を引用しております。これらは当社製品の薬効や効能を表現するものではありません。

 


神話

 ヘナは神の恩恵により神聖視されたハーブであり、そして悪魔と自分の健康に良くない影響を追い払うと信じられた。乾燥した実には、富と繁栄の女神ラクシュミ(Lakshmi)の力が宿ると考えられ、田舎の家庭ではラクシュミ神の象徴、魔よけとして一束の葉、実とともに天井へ括りつける風習も残る。シャニ神(悪魔)の祟りを恐れ、土曜日にヘナの低木をぐるりと回る風習もある。

 

 ヘナは女性たちに人気が高く、手の平や爪、足にも塗られる(紋様)。あかぎれなどの炎症を抑える効果をはじめ伝統薬としての長い歴史がある。古代のアーユルヴェーダ文献や「ニグハントゥス Nighantus」(※01)にも記述があった。その中では、ハンセン病にも使用していたと書かれている。血液浄化作用としての役割は「アーユルヴェーダ・サラサングラーハ Sarasangraha」にも記載がある。

 

 アーユルヴェーダ古典「チャラカ Charaka」と「スシュール Sushruta」でも同じようにヘナを調査していた。特段、皮膚病にヘナは重要な成分としての取り扱いが記録されている。出血、結核と腸チフス熱に有用とも伝えられているが、薬理学、臨床調査の結果としては、その記録資料の有無を当社では確認できていない。

 

※01…訳者は、読みはインド古典語辞典にて類推しているが実際の読みは不明です。

ヘナの等級

インドラジャスタン州のヘナ市場では、ヘナを四つの等級に分けます。

最高品質の葉には三つの呼び名があります。

 

[ KATISRA カティスラ] 毎年、10~11月に収穫するベストな状態の葉です。(意:ヒンドゥー教の暦月KARTIKYA カルティクヤから)

[ CONE QUALITY コーンクォリティ]

同じ品質でもう一つの呼び名は、コーンと呼ばれます。コーンというのは、女性たちが手や足裏などにヘナの模様を描くために使うヘナです。良い葉でないと美しい色はでません。三角コーン▼を紙やプラスチックなどで作り、その中にヘナペーストを入れて描きます。

ヘナ市場における葉の等級分類
ヘナ市場における葉の等級分類

 [ LALI CUTTING ラーリ カッティング]同じ品質の三番目の呼び名です。ラーリとは赤色を意味します。

2番目の品質のヘナには、二つの呼び名があります。

[ PEHLI CUTTING   ペーリ カッティング ] 

収穫シーズン前の最初に取れた熟していない葉を指します。「カティスラ」になる前の小さい葉の状態です。

[ AGLI CUTTING  アグリ カッティング ] 

同じ品質でもう一つの呼び名です。アグリは「早め」という意味です。

3番品質のヘナは「C-GRADE シーグレード」です。これはヘナの葉(濡れた葉と壊れた葉も含む)と木がミキサーされた混ぜ物です。とても安いですが染毛効果は期待できません。日本で流通するヘナの多くがこの品質です。4番品質のヘナは「D-GRADE ディーグレード」です。これは100%ヘナのごみ、濡れた葉っぱ、壊れた葉っぱです。







 化学の染毛剤とは、色素で髪表面に色をつける「ヘアマニキュア」と、色素を脱色する「ブリーチ」、脱色浸透しながら毛髪の中まで色素を行きわたらせる「ヘアカラー」の三つに分けられます。いずれも髪にダメージを与える成分ですので正しい用法が求められています。


 平成27年に 消費者安全調査委員会(※1) から「化学染毛剤」による皮膚障害の調査報告書が公表されました。全国で増え続ける「皮膚トラブル」の苦情に、これ以上の被害拡大を防ごうとした消費者庁の対応です。このニュースは各種メディアで取り上げられました。

 

 

ヘアカラー|リスクのある成分を使用。強い効果。色彩を選べる。髪の深部に酸化染毛剤が残り長期にわたりダメージを与える。


 毛髪の内部深くまで染めるため、色落ちが少なく長期間効果が持続します。脱色と染毛を同時に行うので、明るい色にも暗い色にも染めることができます。反面、髪へのダメージが大きく、長期の使用はカラダへの深刻な健康被害が報告されています。施術する側にも健康被害を与える(揮発吸引により)ことが報告されています。

 

ヘアマニュキア|長期間の使用は髪を確実に弱らせる。キューティクルに深刻なダメージ。枝毛、切れ毛、パサつきの原因。


 化学色素が毛髪の表層部にイオン結合することによって毛髪を染めます。
代表的な製品タイプは、脱色を行わないため、ヘアカラーと比べると髪を傷めにくいです。毛髪内のメラニン色素は残すので、極端に明るい色にはできません。色素が次第に流出するため、色持ちも短いです。髪のキューティクルコートにダメージを与えます。

 

ヘナ|色は限定的。発色に個人差。髪と頭皮を健やかにする。ボリュームと艶を与える。フケ、臭いを抑える。


 髪たんぱく質に吸着する特性のヘナ成分(ローソン)が吸着することによって毛髪を染めます。色を選ぶことはできません。髪のコンディションにより発色、効果の期間が異なります。傷んだ髪ほど良く染まりやすいです。色素が次第に流出するため、色持ちも短いです。髪、カラダへのダメージはありません。

 


欧州委員会(European Commission)は、毛髪染料に使用されている化学染毛剤薬品22種類について、長期間使用した場合、膀胱ガンにつながる恐れがあるとする研究結果を受け、化粧品成分に使用を禁止する方針を発表した。


 この使用禁止措置は、人の健康に安全であるとみなされる毛染め剤のポジティブリストを作成するためにEU 加盟国と利害関係者が合意した欧州委員会の全体戦略に基づくものである。

 

欧州委員会副委員長
(企業・産業担当)
グンター
フェアホイゲン氏
Guenter Verheugen

安全が証明されない物質は、市場から消しておくべき。我々の高い安全基準の設定は、EU圏内の消費者の保護のみならず、欧州の化粧品業界に法的確実性を与えることでもある。


Commission bans 22 hair dye substances to increase consumer safety