ヘナを偽装する様々な化学成分たち
インドで横行!ヘナに使用される化学物質
HC染料と臭素酸Na
(臭素酸ナトリウム)
ヘナ製造業界に溢れる、さまざまな化学成分を今号より連載でご紹介します。安心に配慮された化学成分なら良いものですが、状況は看過できない化学成分に溢れています。
ピアの無添加ヘナをご愛用の皆様には、縁のないお話ですが、もしも化学ヘナでお悩みのお友達がいたらアドバイスしてあげてください。
もちろんピアのヘナには一切使用されておりません。
今回は「HC染毛料入りのヘナ」「臭素酸Na(臭素酸ナトリウム)入りのヘナ」です。「簡単に染まる。そして安全・安心」との広告ですが・・・
エイチシーセンリョウ成分表記例
HC青2、HC橙1、HC赤3、HC黄4 など
化粧品原料の規制緩和で、使用可能となったヘアカラー用の化学色素です。タール系色素よりも、剥がれやすいためリスクが低いものと評価されています。
分子が小さいためヘナと同様にキューティクルの隙間に入り込んで染毛します。そのため健康な髪よりも、傷んだ髪の方が染まり易い傾向があります。
当社でも、このHC染毛力を比較するため様々な実験をしました。しかしながら固定化(酸化・イオン吸着)させない限り、流出しやすい(色落ち)です。
他社の製品の口コミをみても「染まらない」「染まっても色落ちが早すぎる」等の書き込みが多いのも事実です。
HC染料がタール系染料に比べ、アレルギーリスクが低いとはいえ、大量に配合してある場合は要注意です。それはヘナではなく化学染毛剤を考えるべきですね。
HC染料も石油を原料に作られるものに違いはありません。成分表記欄を見て、これらの成分が上位表示されている場合は、さらに注意が必要です。(化粧品成分は配合量の多い順に表記される)
HC染料の分子はとても小さいため、一般的な染毛剤で使用するタール色素よりも、深部へ浸透する恐れがあれります。長期間の使用がカラダへどのような影響を与えるかは不明です。
その昔「タール色素」も、夢の安全染料ともてはやされた時代がありました。これらの新しい色素が同じ健康被害を繰り返さないことを願います。
HC染料は「医薬品・医薬部外品」では認められていない成分です。つまり体内へ吸収された場合の薬害は想定されておりません。頭皮についた成分は、毛母細胞から毛細血管を通り、容易に体内へ侵入します。頭皮につけないように塗ることをお勧めします。
とても恐ろしいヘナが出回っておりますのでご注意ください。臭素酸Na という成分を使用するヘナです。
シュウソサンナトリウム
液体タイプ、パウダータイプの2種類があります。成分表記例は [ 臭素酸Na ] [ 臭素酸ナトリウム ] です。
液体タイプのものは、ヘナに混ぜたり、ヘナパック後の「シャンプー」に混ぜて使用させるものです。
みなさんがご存じの「パーマ液第2剤」にも使用される酸化剤です。先にご紹介したHC染料よりも危険な成分です。色落ちやしすい「HC染料分子」「HC染料入りヘナ」をタンパク質に固定化させ、色落ちを遅らせることができます。成分の特性上、頭皮(皮膚)につけないように塗ることが要求される成分ですが、実際に店頭で売られている製品には、そのようなリスクの説明はありません。
「臭素酸ナトリウム・危険有害性情報」MSDS情報より抜粋|以下、当該成分の[安全データシート-MSDS・危険有害性情報」から一部を抜粋
■ 遺伝性疾患の恐れ。
■ 発がん性のおそれの疑い。
■ 腎臓、神経系消化器系、血液系の障害。
■ 呼吸器への刺激の恐れ。
■ 長期または反復暴露(定期的な使用)による甲状腺、腎臓の障害のおそれ。
【使用上の安全対策】…粉塵、ミスト、蒸気を吸入しないこと。取り扱いには、保護手袋、保護眼鏡、保護面を着用すること。
【応急処置】
吸引した場合は、空気の新鮮な場所に移動させる。目に入った場合は、水で15分以上注意深く洗うこと。皮膚に付着した場合は、大量の水と石鹸で洗うこと。
臭素酸Naの成分をわかりやすく説明するならパーマ液と同じものです。その特殊な成分をヘナと混ぜて使用していることを認識して下さい。継続した利用は、髪を傷める恐れ、そして健康被害が懸念されます。止むを得ずに使用する場合は、頭皮に着けないように塗る工夫が重要です。
成分表記例
臭素酸Na
臭素酸ナトリウム
MSDS情報とは?
Material) Safety Data Sheetの略。化学物質や化学物質が含まれる原材料などを安全に取り扱うために必要な情報を記載した国際的なセーフティーガイドラインです。日本では毒物及び劇物取締法で指定されている成分を譲渡または提供するときには、この「MSDS危険有害性情報の提供」が義務化されている。化粧品の製造に従事するものは、この情報を知ることにより自分の健康を守ることができる。重要な情報がであるが一般消費者まで伝達されてない、薬事法の不備が存在する。
頭皮は口と同じく呼吸をしています。頭皮に付着した成分は容易にカラダの内部へ侵入してしまうことを再認識してください。成分への大きな関心と、正しい知識を持つことが 今の健康を維持するために重要なことと考えます。
日本国内に流通する数々のヘナ製品。お手元のヘナが無添加かどうかを見分けるために
美容師さん達が実践している簡易検査方法をご紹介します。
簡易試験法(その1)
≫ 用意するもの
◎レモン、またはレモン果汁と水
◎白い大きな紙と定規
≫ レモンを絞り、同量の水で希釈します。(100%のグレープフルーツジュースでも可)ヘナを通常よりも軟らかく(水っぽく)溶いたら5分間放置します。その後、ヘナペーストを白い紙に大きく、薄く広げます。
ヘナ自体はレモンのビタミンにより酸化して退色(ブラウンになる)しますが、化学色素は色褪せません。そのため紙面上で、緑色または青色の色染みや、0.3~1.5㎜前後の結晶がそのまま残ります。
≫ また化学色素が入っているヘナは、ペーストも色褪せないので鮮やかな濃い緑~群青色~藍色調のペーストのままです。
簡易試験法(その2)
≫用意するもの
◎小さな葉をつける植物プラント
≫ヘナを溶かした水を毎日、適量与えて下さい。
一定期間、観察して生育をみます。
無添加ヘナは肥料がわりに植物を元気にしますが、化学色素入りのヘナは、枯葉剤と同じ結果をもらたしますので草木が徐々に弱り最後は枯れてしまいます。
人のカラダと髪にも良くないことを物語ります。
その他|製造元への問い合わせ
製品に表示してある「製造販売元」に直接、問い合わせる方法です。
法律上、消費者は一定の情報公開を受けることができます。
≫用意(メモ)するもの
◎製品名(販売名)
◎製品のロット番号(容器に記載)
≫質問する内容
① 製品にはどのような化学成分は含まれていますか?また成分試験は実施されていますか?
② 製品原料を輸入する際に、どのような品質試験が設けられてますか?
③ 無添加を証明するための情報はどこに掲載されていますか?
製造(輸入販売)業者は、消費者の問い合わせに対して的確な情報提供ができる体制を整 備する他、
製品の品質等に係る苦情・回収の処理体制を整備し必要な記録を作成しておくこ と。