警鐘!ヘナを偽装する様々な化学成分

 

 ヘナの等級と偽装ヘナ 第2回

 ヘナの葉に等級があることをご存知でしょうか?

 

 インドのヘナ市場では、葉の発育状態やカタチなどで等級がつけられます。等級により業者間の取引価格も異なります。高値で取引されるものは「新鮮で色が良い」「肉厚でカタチが良い」「発色が良い(染まる)」ことが重要です。

 

 等級は大きく分けて四つに分けられます。その最高品質の葉にはいくつかの呼び名があります。この最高品質の葉をピアエンタープライズは皆様にお届けしております。

 

KATISRA カティスラ

 毎年、10~11月に収穫するベストな状態の葉です。カティスラの語源はヒンドゥー教の暦月カルティクヤから名付けられました。

 

CONE QUALITY コーンクォリティ

カティスラのもう一つの呼び名はコーンと呼ばれます。コーンというのは女性たちが手や足裏などにヘナの模様を描くために使うヘナです。良い葉でないと美しい色はでません。紙やプラスチックなどで三角形のコーンを作り、その中にヘナペーストを入れて描きます。

 

LALI CUTTING ラーリ カッティング

同じ品質の三番目の呼び名です。ラーリとは赤色を意味します。

 

葉の等級分類
葉の等級分類

 そして2番目の等級のヘナには、二つの呼び名があります。

 

PEHLI CUTTING ペーリ カッティング

収穫シーズン前の最初に取れた熟していない葉です。「カティスラ」になる前の小さい葉の状態です。

 

AGLI CUTTING アグリ カッティング

同じ品質でもう一つの呼び名です。アグリは「早め」という意味です。

 

3番品質のヘナは C-Grade シーグレードです。

これは壊れた葉や濡れた葉などのあらゆるものが混ざったものです。とても安いですが染毛効果は期待できません。日本で流通するヘナはこの品質です。とても安く売られています。

 

4番品質のヘナは D-Grade  ディーグレードです。

これは100%ヘナのごみ、濡れた葉っぱ、壊れた葉っぱです。ヘナに加えることにより重量を重く(重量の偽装用)することができます。ゴミのような色と香りです。日本で数百円で売られるヘナはこの等級をふんだんに使用しています。

 

市場に並ぶヘナ。とても綺麗な色ですが…
市場に並ぶヘナ。とても綺麗な色ですが…

 

 ヘナにも等級があることをご理解いただいたところで本題に入ります。

 

インドでは昔から、等級の低いヘナを偽装して高級に見せかける悪い習慣があります。そしてヘナ市場においても「化学薬品による巧妙な偽装」が横行しています。インドの人でも騙されるほど巧妙なもので、悪い化学者たちが関与しているようです。肌の弱い人が使うとカブれるのですぐにわかるものですが、お国柄、保証などありません。

頻発する健康被害相談からインド政府も規制(ヘナへの配合禁止薬品の指定)と取り締まりに力を入れてきました。しかしながら今もなお偽装は横行しております。

 

インドでヘナを扱う人々は偽装したヘナを通称「BAD HENNA バッドヘナ」と呼びます。

もちろんその成分の危険性を良く知るので市場の人は誰も使いません。

 

ではなぜバッドヘナが無くならないのか。

それはバッドヘナを知らずに買うお客さまがいるからです。

この偽装ヘナ、バッドヘナの主な輸出先は台湾、そして日本なのです。

 

 

もう少し詳しくバッド(偽装)ヘナが横行する理由をご紹介します。

 

 

タール砂漠の玄関と呼ばれるジョドプールシティ。ここからタール砂漠までの間にヘナファームが広大に広がるのですが、砂漠に近くなるほど地表の環境は厳しくなり、それは葉の成長と色に大きく影響します。

 

ピアのヘナ畑がもっとも理想的な環境。

一帯の優れた畑からピアのヘナが育ちます
一帯の優れた畑からピアのヘナが育ちます

 ピアのヘナファームはジョドプールから一番近い場所にあります。約100km程の距離です。ヘナファームに適した肥沃な大地で、ヘナの葉は元気でキラキラしています。


さらに奥地へ進むと…

畑の間に土が見えます。葉も薄いです。
畑の間に土が見えます。葉も薄いです。

 さらに数時間ほど奥地へ進むと畑の雰囲気が変わってきます。このあたりには乾燥した暑い風が吹いています。暑いのに汗がでないほど乾燥しています。ヘナの葉も一生懸命に大きくなろうとしていますが苦しそうに育っています。


 砂漠の入口の畑

このような葉色のヘナも混ざっています。
このような葉色のヘナも混ざっています。

 さらに数時間の距離を進むと、空の色まで変わります。ヘナはとても生命力の強い植物ですので砂漠になりかけている土地でも育ちますが、他の植物はきっと枯れてしまう環境です。ヘナの葉は強烈な乾燥に耐えて育っています。


 環境の異なる地域で取れた葉は色も厚みも異なります。

そしてこの葉色は市場で取引価格(等級決定)に大きく影響します。少しでも高く売りたいと考えるヘナ生産者は工業用色素をヘナに加えて青々としたパウダーに変えてから市場に持ち込みます。

 

 色の悪いヘナ、古いヘナ、染まらないヘナは偽装してから市場へ。

ピクラミン酸(使用目的:髪が赤黒く染まる)正式名はピクラミン酸ナトリウムという染毛剤です。不純物の多いヘナ、古いヘナなど染毛効果の薄いヘナに配合します。安価な成分のため広く横行しています。日本でもこの成分を使用した製品が薬事法違反(発がん性物質)で回収になっています。

ブリリアントグリーン(使用目的:パウダーを緑色にできる)石油系化学色素で別名ダイアモンドグリーンとも呼ばれています。プラスチックなどを着色する際に使用する色素で人体には使用できない劇薬です。わずか数グラムでドラム缶一杯の水をグリーンに変えるほど強い薬品で発がん性物質があるため人体には使用できません。

HC染料(使用目的:髪が黒く濃く染まる)ヘアーカラー用の石油系化学色素。色素分子が小さいため染毛効果が高いが、体内への吸収率も高くなる可能性がある。最近の成分のためリスクデータが不充分。

 


 ソージャットのヘナ市場は、ラジャスタン州のとある一部の商人組織がコントロールしています。とても商売人で、いろいろな噂があります。彼らとの取引を揶揄することわざ(注意喚起)があるほどです。ラジャスタンで「良いヘナ」を、常時仕入れるのはとても難しいです。市場内でもペーリ(2番等級)や、シーグレード(3番等級)の葉をキレイにしてカティスラ(最高級)として販売することもあるからです。

 台湾人と日本人がお得意様!

 無添加の上質なヘナのパウダーと「偽造ヘナパウダー」は、見分けがつきません。もちろんインド市場の関係者は皆、当然知っている事情ですが、何も知らない人々が買っていくので、そこは暗黙の了解、他言は無用の世界です。何も知らない人々とは、日本人と台湾人なのです。

インド国内において、粉末化された偽装ヘナは小袋に充填して日本へ送り、日本国内で日本語表示のラベルを貼り販売されています。ラベルには「無添加ヘナ」「植物成分100%」と書かれているので注意が必要です。

 

ではなぜ化学が使用されているのにもかかわらず、日本国内で「無添加」や「オーガニック」と表示して販売できるのでしょうか?→それは次回「化粧品表示法のトリック~本当に安心な製品を見つける方法」でご紹介します。

 

 

 インドの法規制と悪質業者のイタチごっこ

[ 健康被害 → 使用中止命令 → 新たな化学成分の使用 → 健康被害 ]

増え続ける偽装ヘナと化学薬品は、使用する私たち自身で品質試験をする以外に無添加の確証はありません。インドでは販売禁止になっているヘナが日本で現実的に売られています。徹底した原料の成分試験が唯一、真実を知る方法なのです。

 

POINT

ピアが皆様にお届けするヘナは、収穫した葉をそのままパウダーにして袋詰めにします。そして誰の手を加えることなくコンテナー船で日本に送ります。ヘナ市場を介さないことにより「本物の無添加」を手に入れることができます。またピアのヘナが新鮮で香りの良い理由でもあります。

こちらのYOUTUBE動画で収穫から袋詰めまでの工程をご覧になれます。実際に映っているヘナが皆様のお手元に届きます。